狂い花は愛されたくて、





「どこへいく」

「えっ……もう帰らなきゃ……。それに龍崎サンて一度抱いた女はもう抱かないって聞いたんで……。あたしはもう、用無しかなって思ってぇ……でもでも、すっごく良かったですぅ」







オクターブ上げたか弱い女風の声に、動揺したように見せる演技も忘れない。都合のいい女、都合のいい女と何度も頭で繰り返して小さな仕草も作り出す。



自分で言うのもなんだが、なんて頭の悪そうな喋り方なんだ。男が好きそうな女を演じてるだけ。







「連絡先」





男が熱く熱っぽい瞳であたしを見つめている。差し出されたスマホを恐る恐る見つめる演技。腹の中ではーーバァァァァァカ、引っかかった〜



思わず歪みかけた口元を無理矢理抑える。



男ってどいつもこいつもホントにバカ。ちょろっ。