彩恋に揺れる

このひと、いろがない。

誰しもが纏っているはずの色が、何処にもない。

「まさか」
ひゅぅっ、と、引きつった声が出た。

「やっと気がつ」

「あなた、幽霊…?」

「いてなかったな」

言った瞬間に否定されて、ほっと胸を撫で下ろす。

「ならよかった」

そんな私の反応に、動揺するようにぱちぱちと目を瞬かせた目の前の彼は、もしかして、と、微妙な顔をして首を傾げた。

「俺のこと、知らない?」

その言葉に、またどきりと胸がなった。

「え、やっぱりあなた、幽霊…?」

「…なんでそうなる」

終わりの見えないやりとりを繰り返しながら、私の方が困惑して首を傾げる。

「…紅龍、知らない?」

「…こーりゅー」

何、その、ラーメン屋さんか、乙女ゲームに出てきそうな、、、な?

「あ、もしかして巷で噂のぼーそーぞくさん?!」

「……え」