だけど、博君はいつまでたっても硬直から回復する兆しが見えない。 もっとわかりやすいように驚く、かと思ったのに。 そしてすぐに立ち直るとも思ったのに。 「俺は……」 「どうしたの?」 「俺は、綾のことが」 そう言って博君が逃げ出してしまった。