エイプリルフールの嘘


 「不思議だね。エイプリルフールなのに、告白されるって」
 「っそれは、綾が先に嘘をついたからで」
 「分かってるよ」

 勿論、先に嘘の付き合った報告をしたのはこちらだ。
 言い訳の余地なんてない。

 「私は受けるよ。その告白」

 別に、博君はかっこいいし。
 その、異性として、かなりいい男の子だ。
 友達として、だけではなくて、カップル、として一緒にいても楽しいと思う。

 「本当?」
 「うん。これから、カップルらしいことをしよ」

 そう、私は言った。
 だが、私も内面どきどきしてきた。
 異性として見ると、本当に顔が整っていて、私の方が照れちゃう。
 卑怯だよ。今まで友達として、幼馴染として一緒にいたのに、急に照れさせてくるんだもん。

 「まずは抱き着いていいか?」
 「うん」

 そして私たちは、公園の真ん中で抱き着いた。
 そのハグは、今までの人生の中で一番どきどき、心臓の鼓動が早くなるものだった。