「体育館に行ったら、由良の姿が見かけなかったから、戻って来たに決まってるでしょ?桜沢君も、美琴も先に帰っちゃっていたから、もしかしたらって思って、来てみたらやっぱり・・・桜沢君のところに行くんでしょ?」


 ・・・確かに、突然の避難命令が出て、俺たちは体育館に集められた。


 しかし、どう考えても、あんなやつ相手に、学校施設の体育館が持つとは思えない。


 そのために、とりあえず外に出て状況を確認しようと思ったのは確かだ。


 だが・・・まさか、それに真琴まで付いて着てしまうとは・・・。


「いいから、お前は逃げろ!!・・・俺一人なら、何とかなる!」


 あぁ~・・・まったく、コイツはいつもどうして、こうなのだろう?


 正直な話、悪いことをしているわけじゃないから、強く出れるわけでもないし、でも、正面きって、お前は邪魔だとか言えないしな・・・。


「そんなこと言って、また無茶しようとする!由良のいけないところだよ!!」


 分かってるけど、俺は無茶が出来る身体なんだよ!


 きちんと鍛えているんだよ!!


 もう~・・・どうすれば、いいんだ!?


 由良が、そこまで考え込んだ瞬間。


『我々は、ダルマス帝国のものである。我々の目的はあくまで友好であって、諸君らに危害を加えるつもりはない。』


 声は・・・あの巨人から聞こえてきた・・・。


「「は?」」


 ソレに対して、二人が驚いた声を上げるのも無理はない。


 なにせ・・・二人が聞いた声は、間違いなく日本語だったのだから・・・。