「総員、出撃!!」


 隊長の声が響き渡った。


 異世界は、こちらの世界と違い、赤い空が聳え立ち、目の前には毒々しい、紫のコマ状のお城が建っていた。


 どこかワイルダーキャッスルを思い出したのは、自分だけでいい。


「なめるな!」


 先陣を切ったのは、機動性に勝る、海人さんのギア・ドール皐月だった。


 その瞬発力と、機動性を生かし、一気に敵の陣を崩していく。


 でも、もう凄い・・・なんて間抜けな言葉は言わない。


 俺だって。


「!」


 皐月の両側にドリル兵器が構える。


 間に合わない?


 皐月一体なら、そうだろう。


 だが・・・。