「皐月・・・起動。」


 黄土色の巨人の瞳が光る。


 多くの戦場を渡り歩いた。


 多くの血を浴びた。


 多くの涙を見てきた。

 しかし、その巨人は何も語らない。


 何一つ、その辛さを教えることはない。


 まさに無骨・・・その姿、それはロボットなどという夢の存在ではなく、ただの兵器。


 ギア・ドール皐月・・・起動・・・。