ポヨポヨな彼の正体を突き止めたいのですが?!

音を立てて入ってきたのは、何と!


4人のイケメン集団だった!


やっぱりオーラが違いますな。


癒されます。


「そこ、遅刻したもの出ていきない!」


あらら。


オーラが通用しない人もいるのね。


教授が怒っている。


「先生、事情があるんですよ」


はぁぁ。


透き通る声。


一度でいいから、名前呼ばれてみたい。


しかし、教授は苛立っていた。


「どんな事情であっても遅刻は…」


それを遮って、4人の中でも1番背の高いイケメンが話す。


「さっき、エレベーターで一緒になった方が、急に倒れでしまいまして。人命救助といいますか…」


まさか、宙斗?


急に体調が悪くなって、倒れたの?


あんなに元気そうだったのに、やっぱり無理して走ったりしていたから?


急に氷を叩きつけられたように、全身の血が凍りついた。


どうしよう。


危険な状態?


「今日だけだ。さっさと座りなさい」


彼らが前の方にゾロゾロと来た。


え? そばに?


一瞬でイケメン集団に囲まれた。


でも、それどころではない。


宙斗が心配だ。


こそっと彼らが話すのが聞こえた。


「あのデブ、どうしたんかな?」


「さあ、階段じゃね?」


「追い出して正解。ギリセーフ」


「いや、アウトだろ」


ウソなんだ。彼らが教授に言っていたのは。


宙斗をエレベーターから追い出して、ここにきたんだ。


なんて卑怯なやつら。


こんなヤツらに、あいつは負けたの?


ムカついてきた。


どうして、宙斗が貧乏くじを引かなきゃならないの?


いや、どうして私、宙斗のことでこんなに怒ってるの?


その時、またドアが開いた。


「またか! 遅刻したものは受講させない!」


教授が怒り始める。


入ってきたのは宙斗だった。


「すみません。緊急の伝言です」


「私に?」


教授が驚いていた。


急いで教授の側に行き、メッセージを伝えている。


教授は血相を変えて教室を出て行った。


宙斗は、教壇に立つと。


「今日の授業は休講です。補講については後日連絡があります。解散!」


マイクを使わなくても大教室に響いた。


澄んだ声だ。


さっきのイケメンの声より全然いい。


「アイツ…、さっきのエレベーターのヤツじゃない?」


そうイケメン集団の1人が言った。


「なんか、目障りだな」


「縦にも横にもデカすぎて目立ちすぎなんだよ」


聞いてて、だんだんムカついてきた。


「あんたらさ、宙斗の何を知ってんの?」


しまったと思ったが、もう遅い。


敵に回してしまったよ、イケメンたちを。


「もしかして、キミ、アイツの彼女?」


「カワイイのにもったいないなー」


そう言って笑う。


「ブタから俺に乗り換えたら? ブーブー」


本当に頭きた。


「冗談でしょ? そういうアンタたちの方がブタでしょ?」


「この女、言わせておけば!」


1番背の高いヤツが手を上げ叩こうとした。


「みうちゃん!」


宙斗が、1番背の高いヤツに飛びついた。


バランスを崩した2人は倒れた。


私の上に。


「いったーい!」


「みうちゃん大丈夫?」


「大丈夫じゃない!」


上から、長身イケメン、宙斗、1番下に私。


「重いって! 早くどいて」


続く