黒服の人の後ろに金髪が見えた。
嫌な予感がする。
見覚えがありすぎる。
「いらっしゃい、宙斗♡」
ゼットは勢いよく宙斗に抱きついた。
「今日はよろしくね、ゼットくん」
宙斗がゼットを引き剥がしながら迷惑そうに苦笑いしていた。
「あれ? 何で来てるの? 神崎ちゃん」
「バイトです」
「もしかして売り子?」
めちゃくちゃニヤニヤしていて感じが悪い。
何か色々面倒が起きそうな気がして頭がクラクラしてきた。
「ま、頑張って」
ポンっと肩を叩かれる。
「言われなくても頑張ります」
「ま、おしゃべりはここまでで、早く中入ってよっ、みなさん」
並んでいる人たちの視線を感じる。
3人はさっさと中に入って行くが、どうも私は並んでいる人たちに申し訳なくて下を向いて恐る恐る入った。
「神崎ちゃん? 置いてけぼりするぞ」
ゼットにも急かされてしまう。
慌ててゼットの側へ行くとSPが私を取り囲んだ。
「あー、大丈夫だから」
ゼットのその一言で彼らは瞬時に警戒を解いた。
「すごいね、厳重警戒だね」
「いや、めっちゃヒマだからSPごっこしてるだけ」
ごっこって…。もともと彼の意図はよくわからないけど、そんな遊びをやっちゃういさぎよさが逆に清々しい。
「ここ、俺のじーさんが経営者だからさ」
「そうなの? すごい謎解き作っちゃうんでしょ?」
「まあね。俺も作成にはたまに参加するけど」
一瞬で彼に対する苦手意識が飛んでしまった。
「私たち、先に入ってもいいの? 並んでる人いっぱいいたけど」
「大丈夫っ。参加者はあと40分後に入ってもらう予定だからさ。宙斗御一行様は、超特別だからね」
「特別って?」
「あれ? もしかしてこういうイベント初めて?」
「まあ、そうですね」
「なんで敬語? フフフ」
「いやあ、楽しみ楽しみ」
すると、大きなホールが見えてきた。
外見は、大学説明会とかする大きなホールとあまり変わりはないようだ。
「さ、準備準備っと」
ゼットはそういうと、先頭に立ち鍵で入り口を開けた。
宙斗、ランくんに続いて中に入る。
ヒヤリとした風が吹いてきた。
外の暑さとはかなり落差のある室温だ。
思わず身震いをした。
「寒い? みうちゃん? 上、羽織る?」
宙斗がサブバックから上着を取り出した。
肩に羽織らせてくれる。
「ありがとう」
お礼しか言えない自分が恥ずかしかった。
「ちょっと、そこ! イチャつかないでよ!!」
ゼットが地団駄踏んで怒っている。
その側をそそくさと通ると、思いっきりゼットに睨まれてしまった。
「ご、ごめんて」
思わずゼットに謝る。
「アハハ、何謝ってんの? ダッサ!」
やっぱり、ゼットは好きになれない。
嫌な予感がする。
見覚えがありすぎる。
「いらっしゃい、宙斗♡」
ゼットは勢いよく宙斗に抱きついた。
「今日はよろしくね、ゼットくん」
宙斗がゼットを引き剥がしながら迷惑そうに苦笑いしていた。
「あれ? 何で来てるの? 神崎ちゃん」
「バイトです」
「もしかして売り子?」
めちゃくちゃニヤニヤしていて感じが悪い。
何か色々面倒が起きそうな気がして頭がクラクラしてきた。
「ま、頑張って」
ポンっと肩を叩かれる。
「言われなくても頑張ります」
「ま、おしゃべりはここまでで、早く中入ってよっ、みなさん」
並んでいる人たちの視線を感じる。
3人はさっさと中に入って行くが、どうも私は並んでいる人たちに申し訳なくて下を向いて恐る恐る入った。
「神崎ちゃん? 置いてけぼりするぞ」
ゼットにも急かされてしまう。
慌ててゼットの側へ行くとSPが私を取り囲んだ。
「あー、大丈夫だから」
ゼットのその一言で彼らは瞬時に警戒を解いた。
「すごいね、厳重警戒だね」
「いや、めっちゃヒマだからSPごっこしてるだけ」
ごっこって…。もともと彼の意図はよくわからないけど、そんな遊びをやっちゃういさぎよさが逆に清々しい。
「ここ、俺のじーさんが経営者だからさ」
「そうなの? すごい謎解き作っちゃうんでしょ?」
「まあね。俺も作成にはたまに参加するけど」
一瞬で彼に対する苦手意識が飛んでしまった。
「私たち、先に入ってもいいの? 並んでる人いっぱいいたけど」
「大丈夫っ。参加者はあと40分後に入ってもらう予定だからさ。宙斗御一行様は、超特別だからね」
「特別って?」
「あれ? もしかしてこういうイベント初めて?」
「まあ、そうですね」
「なんで敬語? フフフ」
「いやあ、楽しみ楽しみ」
すると、大きなホールが見えてきた。
外見は、大学説明会とかする大きなホールとあまり変わりはないようだ。
「さ、準備準備っと」
ゼットはそういうと、先頭に立ち鍵で入り口を開けた。
宙斗、ランくんに続いて中に入る。
ヒヤリとした風が吹いてきた。
外の暑さとはかなり落差のある室温だ。
思わず身震いをした。
「寒い? みうちゃん? 上、羽織る?」
宙斗がサブバックから上着を取り出した。
肩に羽織らせてくれる。
「ありがとう」
お礼しか言えない自分が恥ずかしかった。
「ちょっと、そこ! イチャつかないでよ!!」
ゼットが地団駄踏んで怒っている。
その側をそそくさと通ると、思いっきりゼットに睨まれてしまった。
「ご、ごめんて」
思わずゼットに謝る。
「アハハ、何謝ってんの? ダッサ!」
やっぱり、ゼットは好きになれない。


