ちょっと感情が振り動かされただけでこれだ。
泣き止むまでに時間はかからなかった。
一度泣いてしまえば、不思議と落ち着いた。
それを知ってか、知らずか。
目の前の2人は、気にしていない様子。
ランくんのツテで、相席するようになった席は、関係者以外立ち入り禁止区域の店長室。
大きな窓は外の見晴らしが良く、ふかふかの茶色のソファは座り心地がいい。
でも、店長と副店長が相席しながらの不思議な食事会になった。
結局、ちょっとした騒動になったせいで、あの後カップルはすぐに出て行ったらしい。
もしあの時に2人がどいたとしても、あの空いた席には座りたくはないかな。
どうせだったら、公園とかのベンチで食べても楽しかったかも。
いろいろ思いを巡らしながら食べていると、ノックの後に豪華なパフェが運ばれてきた。
「こちら、今開発中のデザートです。感想をお聞かせ願えないでしょうか?」
「あの…これはモックで出すんですか? 価格は?」
思わず突っ込んで聞いてしまった。
見た目は、カフェで食べれば二千円近くなりそうだ。
「実は、我々もそこを悩んでおりました。このままですと、我が社の低価格帯には到底ならず、豪華デザートの枠で特別限定で売り出そうかと」
「モックは自然派をコンセプトにしているナチュラルモックもありましたよね? そちらでの販売は考えていらっしゃいますか?」
「いいえ、正直この見た目とナチュラルさが乖離しておりまして、モックにて販売を考えてます。このゴージャスさが皆様に伝わればと」
高いお金だしてまで、画像アップしてみんな買うかな?
正直、私には二千円は痛い。
「価格は二千円でしたっけ?」
「三千円が希望価格です。実は、沖縄県産マンゴーなど高価なカットフルーツを…」
ダメだ。
それなら推しに使うさ。
今のうちに堪能しておこう!
「美味しい!」
でもやっぱり三千円は出せないな。
「あの…味と値段を考慮されたのはよくわかるのですが、できれば千円以内のほうが…」
店長と副店長が驚いた顔をした。
まあ、そうだろう。
こんな安い価格を提示されたら、店にはもうけがない。
むしろ損だ。
「そうだね。希望を言うと、300円から500円のほうが、買いやすいよね」
宙斗もそう言った。
「それは難しいですね……」
それもそうだ。
「思ったんですが、こんなに大きなパフェにするのではなく、ミニを作って価格を抑えるのはどうですか?」
「ミニですか…」
「今は、推しのぬいぐるみとご馳走を一緒に写したりするので小さめでも見栄えがするなら需要があるかと思います」
「ほう…」
あ、反応がいい!
「ぬいぐるみと同じ商品を食べたいという方には、限定で大きな方もオススメしたらいかがでしょうか?」
「そうですね。大変貴重なお話しありがとうございます! また何か思いついたことなどありましたら、こちらにご連絡お願いできますか?」
目の前に出された名刺に戸惑っていると、宙斗が私に促した。
「もらって、ほら」
名刺を両手で受け取った。
初めての事で、これが失礼になってなければいいけど。
でも、そんなことよりもでしゃばって話ししちゃったことが気がかりだ。
店長たちは、私たちに御礼を言うと部屋を後にした。
「みうちゃん、すごかったね。アイディアがあっばいだ!」
「むしろ失礼なことばかり言っちゃったかも」
ランくんが首を横にふって否定する。
「ランくんも、みうちゃんすごいって言ってるよ」
「あの、2人ってどうやって会話してるの?」
「前も聞いてたよね? ランくんが言いたい事ってだいたい顔に書いてあるんだ」
ランくんも激しく頷いた。
「みうちゃんさ、コンサルの仕事興味ない?ってランくんが」
「コンサル? 無理無理無理!」
「じゃあ、アドバイザーは?って」
「無理だってば!」
ランくんがしゅんとして下を向いた。
「急がないから、気が向いたら頼みたいってさ」
「わかった…」
アドバイザーか……。
何だかくすぐったい。
誰かの役に立つようなこと言えるかな、私。
言えたらいいな……
泣き止むまでに時間はかからなかった。
一度泣いてしまえば、不思議と落ち着いた。
それを知ってか、知らずか。
目の前の2人は、気にしていない様子。
ランくんのツテで、相席するようになった席は、関係者以外立ち入り禁止区域の店長室。
大きな窓は外の見晴らしが良く、ふかふかの茶色のソファは座り心地がいい。
でも、店長と副店長が相席しながらの不思議な食事会になった。
結局、ちょっとした騒動になったせいで、あの後カップルはすぐに出て行ったらしい。
もしあの時に2人がどいたとしても、あの空いた席には座りたくはないかな。
どうせだったら、公園とかのベンチで食べても楽しかったかも。
いろいろ思いを巡らしながら食べていると、ノックの後に豪華なパフェが運ばれてきた。
「こちら、今開発中のデザートです。感想をお聞かせ願えないでしょうか?」
「あの…これはモックで出すんですか? 価格は?」
思わず突っ込んで聞いてしまった。
見た目は、カフェで食べれば二千円近くなりそうだ。
「実は、我々もそこを悩んでおりました。このままですと、我が社の低価格帯には到底ならず、豪華デザートの枠で特別限定で売り出そうかと」
「モックは自然派をコンセプトにしているナチュラルモックもありましたよね? そちらでの販売は考えていらっしゃいますか?」
「いいえ、正直この見た目とナチュラルさが乖離しておりまして、モックにて販売を考えてます。このゴージャスさが皆様に伝わればと」
高いお金だしてまで、画像アップしてみんな買うかな?
正直、私には二千円は痛い。
「価格は二千円でしたっけ?」
「三千円が希望価格です。実は、沖縄県産マンゴーなど高価なカットフルーツを…」
ダメだ。
それなら推しに使うさ。
今のうちに堪能しておこう!
「美味しい!」
でもやっぱり三千円は出せないな。
「あの…味と値段を考慮されたのはよくわかるのですが、できれば千円以内のほうが…」
店長と副店長が驚いた顔をした。
まあ、そうだろう。
こんな安い価格を提示されたら、店にはもうけがない。
むしろ損だ。
「そうだね。希望を言うと、300円から500円のほうが、買いやすいよね」
宙斗もそう言った。
「それは難しいですね……」
それもそうだ。
「思ったんですが、こんなに大きなパフェにするのではなく、ミニを作って価格を抑えるのはどうですか?」
「ミニですか…」
「今は、推しのぬいぐるみとご馳走を一緒に写したりするので小さめでも見栄えがするなら需要があるかと思います」
「ほう…」
あ、反応がいい!
「ぬいぐるみと同じ商品を食べたいという方には、限定で大きな方もオススメしたらいかがでしょうか?」
「そうですね。大変貴重なお話しありがとうございます! また何か思いついたことなどありましたら、こちらにご連絡お願いできますか?」
目の前に出された名刺に戸惑っていると、宙斗が私に促した。
「もらって、ほら」
名刺を両手で受け取った。
初めての事で、これが失礼になってなければいいけど。
でも、そんなことよりもでしゃばって話ししちゃったことが気がかりだ。
店長たちは、私たちに御礼を言うと部屋を後にした。
「みうちゃん、すごかったね。アイディアがあっばいだ!」
「むしろ失礼なことばかり言っちゃったかも」
ランくんが首を横にふって否定する。
「ランくんも、みうちゃんすごいって言ってるよ」
「あの、2人ってどうやって会話してるの?」
「前も聞いてたよね? ランくんが言いたい事ってだいたい顔に書いてあるんだ」
ランくんも激しく頷いた。
「みうちゃんさ、コンサルの仕事興味ない?ってランくんが」
「コンサル? 無理無理無理!」
「じゃあ、アドバイザーは?って」
「無理だってば!」
ランくんがしゅんとして下を向いた。
「急がないから、気が向いたら頼みたいってさ」
「わかった…」
アドバイザーか……。
何だかくすぐったい。
誰かの役に立つようなこと言えるかな、私。
言えたらいいな……


