ポヨポヨな彼の正体を突き止めたいのですが?!

怖かった。


顔が?


ううん、嫌われるのが。


もう、話しかけてくれないんじゃないかっていう焦りもある。


あの日、授業終わってから宙斗と話をしようと後ろを探すも、あっという間に姿を消していた。


どうしたらまた話せるんだろう?


そう思ってからもうかなりの日にちがたつ。


授業に出てるはずなのに、全然会えないでいる。


イベントは明後日に迫ってるのに、どうすればいい?


電話もしてみたけど、全然出てくれない。


「カンチ! 久しぶり」


「沢田くん」


「サワでいいってば。どう? 一緒にイベント行く人とコンタクトできた?」


「まだ……」


「それなら、チケット無駄になっちゃうよな」


「そう…だね」


「実はさ、1人行きたいヤツいるんだけど、そいつに譲れないかな?」


「ダメ! 絶対ダメ!!」


「おおっ、そっか。ごめん。さっきの忘れて。その子と早く連絡取れるといいな」


「ううん。ごめんね。その人、ものすごく楽しみにしていたから、絶対連れて行きたいよ」


「じゃ、また会場で会えたらな」


そう言うと、満面の笑みで行ってしまった。


さあ、探そう。


宙斗を。


追いかければきっと逃げてしまうから、目立たないように、彼が行きそうなところを探そう。


いつも、向こうから来てくれるから、全然見当もつかない。


美味しいものが好きだから、とりあえず校内のカフェ?


図書館は?


思いつくだけ、行ってみよう!


4時間かけてあちこち探すも、全く見つからなかった。


そう簡単に見つからないか……。


「よう、何してんの?」


声がする方を向くと、イケメン軍団の1番背の高いヤツが立っていた。


威圧感がすごい。


背の高さって、時々凶器になるんじゃないかって思う事がある。


腕の長さだって全然違う。


あのムチのような腕で叩かれたりしたら、それこそ吹っ飛ぶかもしれない。


「人探し」


「ああ、あのデブ?」


「デブじゃない! ちゃんと宙斗って名前があるんだから!!」


「宙斗…ね。わかったよ。次からは名前で呼ぶ」


「どうも」


なんか調子狂う、こんなに素直だと。


「その宙斗なら見かけたぜ」


「え? どこで? 教えて!」


「耳かせよ」


「なんで?」


「その方が、すぐにつかまるかもよ」


半信半疑だったが、見つけるチャンスだ。


彼に近づく。


耳に、息がフワッとかかった。


それから、小声で囁かれた。


「お前の真後ろ」


え?


後ろを振り向くと、宙斗が立っていた。


「よう、何か用があるんだろ? 宙斗くん?」


「みうちゃんから離れて!」


久しぶりの宙斗の大きな声。


イケメンの囁きよりも、なぜか全身に響いた。


鼓動が早くなる。


「コイツ、ずっとお前の後ろにチョロチョロいたぜ?」


イケメンが笑いながら言った。


「ずっと真後ろにいたんだ……。なんか、さすがだね」


「みうちゃん、何もされてない? あ…それとも、僕…ジャマしちゃった?」


「してない。探してるの知ってるんだったら、さっさと出てきなさいよ!」


「だって、せっかく友達できて楽しそうだったから。僕といる時よりも」


「もう、わかってないんだから。アンタと一緒の時の方が、そのままの私」


「素でいられるってこと?」


「そう。アンタにだったらどんな文句言っても、ワガママいっても許してもらえるでしょ?」


宙斗が不思議そうに私をじっと見つめて、コクンとうなずいた。


「なあ、やっぱアンタら付き合ってんだろ?」


二人、声を偶然にハモらせて答えた。


「「付き合ってません!!」」


背の高いイケメンが、大声で笑った。


「やべぇぐらい、息ぴったり」


そう言うと、手をヒラヒラさせて去って行った。


「いちいち行動がイケメンなの、ちょっとムカつく」


「やっぱり、みうちゃんはイケメンが好物じゃん!!」


「そうだけど?」


悔しそうにジタバタしている宙斗だった。