夢にまでみたイケメンとのデート。
今日がその日だったらどんなに幸せだろう。
どんな不幸にも耐えられる気がする。
「ランくんがね、めちゃくちゃ喜んでたんだよ! みうちゃんのこと、神様だって崇めてた」
ちょっぴりだけ『シジョー』関連があるため興味はあるけど、そもそも行きたくないって気持ちはどんどん膨らむわけで。
「私、そのランくんって人の顔知らないし、何話していいかわからないよ」
「大丈夫。当日は僕もついて行くし、ランくんはシャイだからきっと何も話さないよ」
「え? 行くの?」
「うん。ランくんと引き合わせるのが今回の僕の任務だからね」
「当日じゃなくてその前に少し会えないの?」
「イベントに2人で行くなんて、デートっぽくてイヤだ!」
「知らない人とデートなんてしないでしょ?」
「そこから始まる恋もあるかもしれないから、僕が阻止しないとね」
「だから、なんでアンタが私の恋愛に口出してんのっ!!」
「確かに。何でだろう?」
「とにかく、これ以上疲れさせないで。イベントは2人で行くし、その前に連絡手段なり、色々セッティングしてよ」
「やだ」
「みうちゃんと直接やりとりして欲しくないっ!!」
「はあぁ? こっちは無駄な時間を節約しようとしてんの。本人同士連絡とった方がラクでしょ?」
「やだっ!」
「お互い連絡したからって、アンタと友達やめるってワケじゃないんだから!」
「友達? 友達になった? 僕たち」
「あー、もう、なるなる。だから、ランくんの連絡先教えて」
何を悩む必要があるんだろう?
難しい顔をして、迷っている。
「みうちゃんって、イケメン好きだよね?」
「それ、関係なくない?」
「『シジョー』のシローも、7人の中で1番カッコいいし、僕と前付き合ったのも、そういうことでしょ?」
「イケメン嫌いな人なんて、世の中にいないでしょ?」
確かにあの時、宙斗から付き合おうって言われて舞い上がったのは否定できないし。
外見より中身って言うけど、結局みんな外見に惑わされてるのが世の常でしょ。
外見も中身も揃ってたのが、宙斗だったのに。
ああ、もったいないな……。
いや、逆に別れていてよかった?
ここまでプクプクに膨らんでるんだから。
「やっぱりダメ。僕も行く」
「欲望に忠実すぎて逆に尊敬するわ」
「みうちゃんから尊敬? そんな、畏れ多いよ」
「イヤミで言ってんの。本当に素直に受け取りすぎ」
「どんな言葉でも、みうちゃんからいただいたのは家宝にするっ!!」
「キモっ! やめて、それ」
「だって、本当にありがたいんだってば」
「わかったから。あ、そうだ。ランくんの写真見せて?」
「無いよ」
「友達なんでしょ? 一枚くらいはあるでしょ?」
「無いのっ!」
「どうして?」
「ランくんが写真嫌いだから!」
「また、ウソを。貸しなさいよ、スマホ!」
「ヤダヤダ!」
スマホを探すために、ポケットをあちこち探る。
ジタバタしているヤツの丸太のような腕が頭に当たった。
破壊力がすごい。
目の前に星が飛ぶってなんなのなんだ…。
「……つっ!」
「ごめん! 大丈夫? 手? 怪我したとこ?」
「頭!」
「ごめんごめん」
優しく頭をなでなでしてきた。
「痛かったよね。痛いの飛んでけ」
「ちょっと、私、子どもじゃないんだから!」
そう言っても、なでるのをやめてくれない。
「ちょっと!」
「あ、ごめん。つい、気持ちよくて……」
「つい…じゃないでしょ! 接近禁止! 触るのも禁止!」
「それ、もう友達じゃなくない?」
「会話してるだけありがたいと思って」
「確かに」
そこで、納得するの?
やっぱり変なヤツ。
「みうちゃん、絶対、絶対、ランくんに惚れちゃダメだからね!」
「どうして?」
「ランくん、びっくりするくらいイケメンなんだ」
「またまた。ご冗談を」
いつになく、真剣な顔だ。
「ウソつかないよ、僕」
「ウソつかない人なんていないってば」
「好きにならないって約束して」
「別にいいじゃない。好きになっても」
「彼は、リリーちゃん一筋なんだよ! 恋したら、失恋確定だよ!」
「二次元と三次元は別物でしょ?」
「彼にとっては同じなんだ」
その意味すらわからず、私はどうでもいいような相槌をうった。
「絶対好きにならないで!」
「そこまで言われたら、好きになっちゃうかもね」
絶望感を味わったような顔をしている宙斗は、肩をガックリと落とし、トポトポと歩いて行ってしまった。
もやっとした。
言い過ぎたかも…と反省をする。
それからしばらく、私は宙斗と会わない日が続いた。
今日がその日だったらどんなに幸せだろう。
どんな不幸にも耐えられる気がする。
「ランくんがね、めちゃくちゃ喜んでたんだよ! みうちゃんのこと、神様だって崇めてた」
ちょっぴりだけ『シジョー』関連があるため興味はあるけど、そもそも行きたくないって気持ちはどんどん膨らむわけで。
「私、そのランくんって人の顔知らないし、何話していいかわからないよ」
「大丈夫。当日は僕もついて行くし、ランくんはシャイだからきっと何も話さないよ」
「え? 行くの?」
「うん。ランくんと引き合わせるのが今回の僕の任務だからね」
「当日じゃなくてその前に少し会えないの?」
「イベントに2人で行くなんて、デートっぽくてイヤだ!」
「知らない人とデートなんてしないでしょ?」
「そこから始まる恋もあるかもしれないから、僕が阻止しないとね」
「だから、なんでアンタが私の恋愛に口出してんのっ!!」
「確かに。何でだろう?」
「とにかく、これ以上疲れさせないで。イベントは2人で行くし、その前に連絡手段なり、色々セッティングしてよ」
「やだ」
「みうちゃんと直接やりとりして欲しくないっ!!」
「はあぁ? こっちは無駄な時間を節約しようとしてんの。本人同士連絡とった方がラクでしょ?」
「やだっ!」
「お互い連絡したからって、アンタと友達やめるってワケじゃないんだから!」
「友達? 友達になった? 僕たち」
「あー、もう、なるなる。だから、ランくんの連絡先教えて」
何を悩む必要があるんだろう?
難しい顔をして、迷っている。
「みうちゃんって、イケメン好きだよね?」
「それ、関係なくない?」
「『シジョー』のシローも、7人の中で1番カッコいいし、僕と前付き合ったのも、そういうことでしょ?」
「イケメン嫌いな人なんて、世の中にいないでしょ?」
確かにあの時、宙斗から付き合おうって言われて舞い上がったのは否定できないし。
外見より中身って言うけど、結局みんな外見に惑わされてるのが世の常でしょ。
外見も中身も揃ってたのが、宙斗だったのに。
ああ、もったいないな……。
いや、逆に別れていてよかった?
ここまでプクプクに膨らんでるんだから。
「やっぱりダメ。僕も行く」
「欲望に忠実すぎて逆に尊敬するわ」
「みうちゃんから尊敬? そんな、畏れ多いよ」
「イヤミで言ってんの。本当に素直に受け取りすぎ」
「どんな言葉でも、みうちゃんからいただいたのは家宝にするっ!!」
「キモっ! やめて、それ」
「だって、本当にありがたいんだってば」
「わかったから。あ、そうだ。ランくんの写真見せて?」
「無いよ」
「友達なんでしょ? 一枚くらいはあるでしょ?」
「無いのっ!」
「どうして?」
「ランくんが写真嫌いだから!」
「また、ウソを。貸しなさいよ、スマホ!」
「ヤダヤダ!」
スマホを探すために、ポケットをあちこち探る。
ジタバタしているヤツの丸太のような腕が頭に当たった。
破壊力がすごい。
目の前に星が飛ぶってなんなのなんだ…。
「……つっ!」
「ごめん! 大丈夫? 手? 怪我したとこ?」
「頭!」
「ごめんごめん」
優しく頭をなでなでしてきた。
「痛かったよね。痛いの飛んでけ」
「ちょっと、私、子どもじゃないんだから!」
そう言っても、なでるのをやめてくれない。
「ちょっと!」
「あ、ごめん。つい、気持ちよくて……」
「つい…じゃないでしょ! 接近禁止! 触るのも禁止!」
「それ、もう友達じゃなくない?」
「会話してるだけありがたいと思って」
「確かに」
そこで、納得するの?
やっぱり変なヤツ。
「みうちゃん、絶対、絶対、ランくんに惚れちゃダメだからね!」
「どうして?」
「ランくん、びっくりするくらいイケメンなんだ」
「またまた。ご冗談を」
いつになく、真剣な顔だ。
「ウソつかないよ、僕」
「ウソつかない人なんていないってば」
「好きにならないって約束して」
「別にいいじゃない。好きになっても」
「彼は、リリーちゃん一筋なんだよ! 恋したら、失恋確定だよ!」
「二次元と三次元は別物でしょ?」
「彼にとっては同じなんだ」
その意味すらわからず、私はどうでもいいような相槌をうった。
「絶対好きにならないで!」
「そこまで言われたら、好きになっちゃうかもね」
絶望感を味わったような顔をしている宙斗は、肩をガックリと落とし、トポトポと歩いて行ってしまった。
もやっとした。
言い過ぎたかも…と反省をする。
それからしばらく、私は宙斗と会わない日が続いた。


