ポヨポヨな彼の正体を突き止めたいのですが?!

休み明けって憂鬱。


それでも少しホッとするのは、同じ電車に乗る人たちもみんな同じ顔ぶれで。


見ず知らずの人たちだけど、みんなでそれぞれの地へ戦闘モードで頑張ろうって雰囲気がちょっぴりあるから。


憂鬱なのは自分だけじゃないってわかるから。


満員電車でお互い押しつぶされても、頑張ろうって気持ちは押しつぶされない。


でも、『頑張ろう』が押しつぶされても全然いい。


だって、気持ちって必ずしもいつも同じじゃ無いから。


1回くらい、肩の力を抜いていこう。


出席しただけでも大きな花丸だ。


大学に向かった行動こそが、大きな頑張りなんだ。


それでも、朝イチの彼は正直キツイ。


「それでね、ずっと挑戦したんだけど、全然ダメで。友達のために頑張って当てようとオールして頑張ったんだけど……」


相変わらずのマシンガントーク。


まあ、完徹の時ってテンション変になってるからってのもあるんだろうけど。


「それでさ、もし、もしだよ。みうちゃんが時間大丈夫なら、協力して欲しいなって思って」


「え? 協力?」


「うん。前にノートを貸してくれた僕の友達がね、どうしても行きたがってるイベントなんだ」


「それって、相当な競争率なんでしょ?
そこまでやっても当たらないって事は」


「そうなんだけど、もしかしたらビギナーズラックでみうちゃんが引き当てちゃうかもしれないよ?」


「そんな上手くいくわけないって」


「とりあえず、抽選、やるだけやってみてよ」


言われるままにサイトにアクセスする。


「これ? 『マジカリリーのみんなで大集合』っていうイベント?」


「そう。クイズに正解した人が抽選に進めるよ」


「知らないもん。正解なんて無理」


「問題は僕が解くから、早く早く」


サイトに次々と誘導され、やっとクイズへ。


問題 リリーが初めてミナトくんにお姫様抱っこされたのは第何話?


「第98話!」


「即答かい!」


数字を入力すると、大正解という大きな文字がアニメーションで動いた後、デジタルダーツがぐるぐる回り始めた。


「みうちゃん、当てて!」


「当たれっ!」


画面が真っ暗になった。


「あら? ダメみたいだよ」


「ハズレ?」


すると、急に画面が点滅し始めて、リリーと思われる可愛いツインテールの女の子が出てきた。


「おっめでとう! リリー、会場で待ってるからね。会えるの楽しみにしてるよん」


キラキラと光に包まれて手を振るリリー。


「あ、あ、あ、あた、当たった!」


「みたいだね。で、これ、どうすればいいの?」


「当選者と一緒に1人だけ同伴できるんだよ!」


「それって、私が行かないとダメってこと?」


「そう。だから、みうちゃん。ランくんをよろしくね」


「私、行きたくない!」


「助けてもらったお礼がしたいって言ってたでしょ? それが、今だよ」


え。


どうしよ。


だるい。


何かもわからないイベントに行くほど余裕無い。


どうせなら、『シジョー』のイベントとか、スポーツ観戦とか?


映画とか。


色々ある中で、1番興味の無いイベント……。


「ちなみに、ミナトくんの声優さんは、『シジョー』にも出てるんだよ」


「そうなの?!」


「行く気になった?」


うん、まあ。


それはちょっと楽しみだよ、そのイベント。