巡恋-出逢ってくれてありがとう-

『あっ♪麗子っ!どうだった~?推薦状書いて貰えそう???』





教室に戻ると…

里沙と真希、真樹が食事をしていた





高校3年の1年間

私は毎日…

コノ3人と過ごした





「…書いて貰えそうっちゃ貰えそうだけど…」

『何っ!?やっぱ遅刻が多過ぎて何か条件出されたとか…。』

「条件…。。。条件に…なるのかも…」





遠くから聞こえる足音で

皆、状況が直ぐに分かった





『黒田~っ!!』

『げっ!!柏木だっ!!』





真希が叫んだ

走って現れたのは…

美術の先生、柏木だった





『麗子~…コッチ来るよ~…』





里沙・真希・真樹は後退りした





『黒田っ!!何で俺に相談も無しに稜杏(りょうあん)大学にした!?』

「いやっ…まだ合格した訳じゃ無いので…」

『せっかく美大を受ける気になったのに、何故あんな歴史も実績も無い大学選ぶんだオマエはぁ~!!』





柏木は私の肩をグラグラと揺らしながら言った





「先生っ…痛いっ…」





クラスの皆が

私と先生に注目する

柏木は我に返り

落ち着いて話を続けた





『…放課後、美術工芸館に来なさい。この続きは後で。』

「………。」





柏木は去って行った





『大丈夫?麗子ー…。』

『柏木ヤリ過ぎでしょ…。』

『かなりの…興奮だったね…アレは。』





里沙、真希、真樹は唖然としていた





「………。」


『………。』





私が静かに席に着くのを…

里沙は静かに見つめていた