『………いいでしょっ。』




資料を読み終えた所で

担任が口を開いた





「マジですか!?」

『…。黒田さん…言葉遣いを直しなさい。』

「あっ…すいません…」

『明日までに書いておくから取りに来なさい。』

「…ありがとうございます。」

『…この事は…柏木先生には言ってあるの?』





柏木先生=美術の先生





学内で私を見つけては

追い掛け回し

捕まえては

有名美大に行けと

説教する人





『…あなたが希望している大学は、資料を見る限り、まだ出来たばかりで実績も無いみたいじゃない?』

「………。」

『頭の方は別として、美術に関しては柏木先生も凄くあなたに期待してるみたいだから…。』

「はぁ…。」

『私からも東京の美大を薦めるように柏木先生からお願いされてたんだけど…コレばっかりは本人のヤル気次第だからね~…』

「……そう…ですね…。」

『私が説得しても、あなた余計ヤル気なくなりそうだしっ!』

「ははっ♪そうですね!」

『………。』

「………すみません。」

『…いちお、柏木先生には報告しておきますよ。』

「………はい…。」





(最悪っ…。)





「失礼しました。」





ガラッ…

私は肩を落として

職員室を出た