「桜駒。アメリカに行かないか……?」 あれから数日後。 再び見舞いに来たパパにそう告げられた。 「アメ、リカ……?」 何でまた、急に。 「……アメリカの方が医療が発展している。治る確率も高くなるはずだよ」 そういうことか……。 もう、いいよ。 「別にいいよ……。どうせ、あと5年以内に──」 “死ぬんだから”。 「桜駒」 「……なあに?」 パパは私の目をまっすぐ見た。 「俺はさ、桜駒があのとき、本心を言ってくれて嬉しかったんだよ」 あのとき……。