地の果てに咲く花

みよに追いついたとき、胸がいつもより動悸していた。

そんなに走ってないのに何でだろ……。

最近こーゆーこと多いんだよな…。

疲れてるのかな。

「桜駒?どしたー?」

みよに聞かれてううんと首を振る。

それと一緒に、この胸の動悸も振り払えるように。

「何でもなーい」

本当に何でもないんだよ。


──でも。このとき言えなかったから。
本当のこと言えてたら、未来は変えられたのかな。


「はい、体育館2周!」

準備運動が終わって、先生が言う。

2周ってさあ……。

「2周って!鬼畜かよ!」

私の心の声を代弁したみよ。