地の果てに咲く花

「今まで……ごめんね。桜駒の思いを何一つ考えないで……」

“私の気持ちを考えないで?”。

違うでしょ、私の気持ちを考えなかったんじゃない。

お兄ちゃんの気持ちを考えなかったんでしょ。

「……ママ。もう行くね」

ここに居たら、憎悪を吐き出してしまいそうだから。


──私の気持ちを理解してくれる人なんて、この世にはいない。

「みよ」
前を歩くみよを見つけると駆け寄って、声をかける。

「桜駒!おはよ!」

みよはニコニコ笑うと、私を見てアングリと口を開けた。

「さ、桜駒……髪……!」

「結んでみたの」

大して凝ったのはできなかったけれど。

お兄ちゃんほどは上手くない。

「めっちゃ可愛い!似合ってる!」

「ありがと」