地の果てに咲く花

「ねえ、お兄ちゃん……」



次の日、目が覚めると朝7時だった。

あのまま寝ちゃったんだ……。

むくっと起き上がり、制服に着替え始める。

髪をとかして鏡の前で一回転する。

髪は……。

「……結ぼう、かな」

なぜそう思ったのかはわからないけど。

簡単な二つ結びのおさげにした。

髪を結んだのは何年振りだろう。

下ろしてる姿の方が好きと言ったママへの、ちょっとした反抗心だったのかもしれない。

一階に降りると、ママが料理をしていた。

私に気づくと気まずそうに、目線を下げる。

「さ、桜駒……」

「……なあに?“お母さん”」

その呼称に何か思いがあったのか、ママは何か言おうとして──結局口を閉じた。