地の果てに咲く花

愛してないなら、いらなかったなら産まなきゃよかったのに。

幼いながらにそう思う俺は、やっぱり無関心で冷めていたんだろう。

「おにーちゃん?」

俺と違って、まだ幼くて、親のことを理解してない可哀想な妹。

俺は、二人の会話を聞かせないように妹をいつも違う部屋に居させてた。

「なんでおかーさんないてるの?」

妹は母さんの気持ちを知らなかったから。

言わないほうがいいと思った。

だけど、これだけは教えといてあげないと。

知らないで苦しむのは、桜駒だから。

「……俺たちは、望まれないで生まれてきたんだよ」

そう言われた時の妹の表情を、俺は一生忘れられない。

泣きたいはずなのに、笑ってたから。

「そーなんだ!」

泣きたいはずの妹は、泣くことを知らなくて。

“望まれないで生まれた”というのに、笑い続けていた。