地の果てに咲く花

その涙を見たとき、少年は何を思っていたのでしょう?

“愛する妹が家族を手に入れたとき”、彼は何を考えていたのでしょう?



それを知る少年は、今も眠っている──。





「……おしまい」

少年は無感情に妹に読み聞かせると、絵本をしまった。

そんな兄の態度も気にせず、少女は笑った。

「お兄ちゃん、絵本おもしろかった!」

妹にキラキラとした瞳で見上げられ、少年は言葉が詰まったように目を逸らす。

「……そう」

「うん!」

少年は幼い妹と違い、己が何に対しても無関心なのを理解していた。

そんな兄の心情を知ってか知らずが、少女はぎゅっと抱きついた。

「お兄ちゃんとさこまはずーっといっしょ!」