地の果てに咲く花

「魁眞……大きくなったね……っ」

「母さん……」

その呼称に、彼はお母さんの息子なんだって。

望まれて生まれてきたんだって分かった。

そしてお母さんに似てない男の人が出てくるとお母さんは一瞬戸惑ったようにしたけど、優しく笑い彼を抱きしめた。

「雷稀……久しぶり、今日から私がお母さんだからね」

そんな四人を、私だけが枠の外に居るみたいで。

ぼーっと見ていた。

ここに居るお母さんは、知らない人みたい。

私は、お母さんをお母さんと呼べなくなった。

新しいお父さんをお父さんと呼べなかった。

新しいお父さんは凄く優しくて、何でも聞いてくれて。

お母さんは見たことないくらい、明るくなって。

新しいお兄ちゃんたちも凄く可愛がってくれる。

……でも。私だけが、一人ぼっちの世界にいるみたいだった。

お母さんが、ママが幸せそうに笑うたび、私の心は泣き叫んでいた。

だけど、笑わなきゃ。