そんな妹を少年は強く抱きしめた。
幼い双子は“愛”と言うものに飢えていた──。
「……桜駒、よく聞いて。お父さんとお母さん、離れて暮らすことになったの」
それを言われたのは、6歳になってちょっと過ぎた頃だった。
「な、なんで……?」
お父さんはよく怒って、暴力を振るってくるけど、何故か嫌いにはなれなかった。
『実の父親』という、肩書きがあったから。
「……お別れすることになったの」
幼い頃の私にはその意味が理解できなくて。
「もう、会えなくなるの……?」
「……そうね。今までのようには会えない」
「お、お兄ちゃんは……っ?」
私の不安は、それだけだった
お兄ちゃんと一緒なら、何処でも耐えていける。
幼い双子は“愛”と言うものに飢えていた──。
「……桜駒、よく聞いて。お父さんとお母さん、離れて暮らすことになったの」
それを言われたのは、6歳になってちょっと過ぎた頃だった。
「な、なんで……?」
お父さんはよく怒って、暴力を振るってくるけど、何故か嫌いにはなれなかった。
『実の父親』という、肩書きがあったから。
「……お別れすることになったの」
幼い頃の私にはその意味が理解できなくて。
「もう、会えなくなるの……?」
「……そうね。今までのようには会えない」
「お、お兄ちゃんは……っ?」
私の不安は、それだけだった
お兄ちゃんと一緒なら、何処でも耐えていける。

