地の果てに咲く花

もちろん母さんは桜駒を引き取ると言い。

『……桜駒、』

『いや!嫌だよぉ……っ、一人にしないで……!』

俺だって、本当は離れたくない。

『お兄ちゃんっ……!』

ポロリ。

そのとき、桜駒は泣いたんだ。

きっと、初めて。

その涙を見たとき、ハッとして。

俺は、妹を、守って愛していなきゃいけないのに。

俺が桜駒を“双子の妹”としてちゃんと見たのは、この時だったと思う。

遅すぎたんだ。

桜駒を“双子の妹”として見たのが。

離れるときに、そんなことに気づくなんて。

だからこそ、罪悪感があって。

妹に申し訳なかった。

……でも。