地の果てに咲く花

綺麗になって、愛されているのが一目で分かった。

だけど。

笑ってるのに、なぜか笑っているように見えなかった。

笑顔だけは、あの頃と同じで。

そう思うと、桜駒は幸せに感じてないんだって。

「っ、え……?」

桜駒が気づいたかのように、こっちを見た。

そして唇を震わし、何か言葉を紡ぐ。

はっきりとは聞き取れなかったけど、何言っているのか自体はわかった。

『お兄ちゃん』

彼女はちゃんと、そう言ったのだ。

紫悠に肘で小突かれ、我に返り、桜駒の方へ歩み寄る。

「……あんたたち誰よ」

桜駒の側にいた同い年くらいの少女が、桜駒を守るかのように前に出た。

桜駒は、これでもかっていうほど目を見開けて、唇を震わした。

そして、俺をまっすぐ見て言う。