地の果てに咲く花

『お兄ちゃんを置いていってしまった』って。

でも、桜駒が望んで置いていったんじゃないから。

逃げ続けたらダメだよ。

「桜駒、」

ぎゅっと、彼女の手を握る。

可愛くて、大事で、守ってあげたいと思った従妹。

最愛のお兄ちゃんに会えたのなら、抱きしめてあげてほしい。

「っ、ごめん、ごめんねえっお兄ちゃん……っ、あの時、見捨ててごめんなさいっ……!」

桜駒はぎゅっと抱きつくと、泣きながら謝り出した。

桜駒の涙……見たのはいつぶりだろう。

最後に見たのは、3年以上も前だ。

それにおかしいね。

泣きながら謝るのは、あの母親と同じだっていうのに。

桜駒のその姿を見ても、涙が綺麗だって思ってしまうんだもの。

ねえ、桜駒。

貴方は自分が最低って言ってたけど、そんなことないんだよ。