地の果てに咲く花

「おにいっ、ちゃん……っ!」

ぎゅっと抱きついた。

お兄ちゃんは目を見張ったけど、優しく抱きしめてくれた。

その温もりにずっと我慢してた涙が溢れる。

何でだろうね。

ずっとこの温もりを忘れてたなんて。

「……桜駒、」

最愛のお兄ちゃんを、忘れてたなんて。

本当、馬鹿みたい。

「っ、ごめん、ごめんねえっお兄ちゃん……っ、あの時、見捨ててごめんなさいっ……!」

「桜駒、」

「ずっと、ずっと会えなくてごめんね……っ」

お兄ちゃんは何も言わずに私を抱きしめる力をぎゅっと強くした。

私が会いたくて、愛していて、愛して欲しかったのは。

ずっとずっとお兄ちゃんだけだったのに。

ああ……そうか。