地の果てに咲く花

希空が息を呑むようにハッとした顔をする。

「桜駒」

紫悠が促すように私を見た。

何でなの、紫悠。

どうして邪魔するの?

私は、合わせる顔なんてないのに。

お兄ちゃんを見捨てた私に、そんな権利ないっていうのに。

でも何でかな。

お兄ちゃんに会いたいだなんて。

図々しいにも程があるだろう。

「桜駒、」

ぎゅっと手を握られる。

……希空は、ずっと分かってたのかな。

私がいつまでも逃げていることに。

愛してるはずのお兄ちゃんから、ずっとずっと逃げているって。

もう、逃げ続けてたらダメだって。