地の果てに咲く花

「私はできないからいいよ〜」

みよの体をぐいっと押し、髪を整える。

「いっつもそー言って……。もー」

みよはぷんぷんと怒る真似をする。

「はは……」

思わず乾いた笑みを溢すと、みよは不思議そうに私を見つめた。

「でもなんで?写真見たけど、小学生の頃は髪めっちゃアレンジしてたじゃん」

写真って……。

勝手に見るなし。

こいつ、プライバシー侵害で訴えてやろうか。

「え、やめてやめてやめて。訴えるのはナシ」

みよが片手をひらひらと横に振った。

「え?なんでわかったの?」

「いや、声に出てましたよ桜駒さん」

えーおっかしいなあ。

まあいいやとへらっと笑う。

「桜駒──」

「ほらーみよー。早くしないと遅刻するよー?」

「え待って!」

真剣身を帯びたみよの言葉を遮る。

私は最低だ。

私のこと好いてくれている親友の、言葉を遮るなんて。

でも、こうするしか生きる方法を知らないんだ。

だって私は、望まれた子ではないのだから。