地の果てに咲く花

「……ちゃんと、桜駒と話そう」

お前たちはもう、自分を保ててないよ。

唯一、愛して愛せたお互いに会えてないから。

よく辛抱した方だと思う。

だけどこれ以上離したら、二人は壊れてしまうから。

俺はもう二度と、あんな姿見たくない。

『お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんっ……いやあ……っわああーー……!』

桜駒は一度壊れてしまった。

心的外傷後ストレス障害。通称フラッシュバック。

桜駒は泣いたことがなかった。

怒鳴られても、殴られても、蹴られても。

今の彼女が泣くのは、“過去に泣けなかった幼い頃の少女”が泣いている。

『紫悠……お兄ちゃんを宜しくね』

『おい桜駒お前っ──……聖杜のこと大切なんだろ⁉︎何で──!』

『……大切だから、紫悠に任せるんだよ』

『っ……!』