地の果てに咲く花

「桜駒……、良い洋服着れて……髪の手入れも行き届いてて……」

「聖杜、」

「……良かった……っちゃんと、愛されてて……」

聖杜……。

……お前は本当に、愛に飢えてるね。

本当だったら、親に愛されるはずだった双子。

“望まれないで生まれてきた”。それだけで、二人は愛されてなかったんだ。

この双子は普通じゃない。

だって。

“お互いを愛するしか、生きる方法を知らなかった”から。

“お互いをお互いとしてみて、自分の自尊心を保ち続けるため”に。

『っ、待って!行かないでお兄ちゃん……っ!』

『……桜駒、』

『いや!嫌だよぉ……っ、一人にしないで……!』

6年前、愛する“もう一人の自分”を奪われた兄妹。

お兄ちゃんといないと生きてけないんじゃなかったのかよ……桜駒。