地の果てに咲く花

『私、私は……』

そして桜駒は笑った。

『楠見、桜駒』

綺麗な笑顔で。

弾けるような明るい笑顔で、涙を一筋流しながら。

彼女は私に、微笑んだんだ。

私はこの時、桜駒を守ろうと思った。

この笑顔を、壊させないよう。

もう彼女を守れない“お兄ちゃん”の代わりに。

彼の代わりでいい。

代わりでいいから、守ってあげたいって。

それが私の、楠見 希空の生きる意味。