地の果てに咲く花

『何で、何で会いにきてくれないの……っ』

会いに、来てくれない?

どうしたのかと声をかけるべきか悩んでいると、私は誤って木の枝を踏んでしまった。

パキっと音が響き、女の子がバッと後ろを振り向いた。

『だ、誰……?』

私はゆっくり歩いてその子の前でしゃがみ、目線を合わせる。

『……私は、希空。貴方の従姉だよ』

『希空、ちゃん……?』

彼女は濡れた瞳で私を見上げた。

『……貴方の名前は?』

女の子は表情を暗くさせた。

『私は……おち、……さこま……』

『桜駒かあ……桜駒って呼んでいい?』

『うん……』

普段の私なら一人でいたいって思うのに。

桜駒と居ると、何故か心地よかったんだ。