地の果てに咲く花

だからこの人も、きっと母親と同じなんだろうと。

『俺にはね、希空と同い年の娘がいるんだ。仲良くしてくれたら嬉しい』

そう言って”あの人”が優しく目を細めた先には、綺麗な女の子がいた。

その女の子は祖父母から貰ったぬいぐるみを大事そうに抱えてる。

見るからに、愛されてきた少女。

あんな子と仲良く?冗談に決まってる。

あの子も私のこと知ったら同情するだけして、私のことを軽蔑するんだ。

『でも兄様、桜駒ちゃんは──』

『……それはそうと扶美。お前、また男に手出したんだって?』

『っ、それは!』

“あの人”に言われ、母親はかつてないほどに顔を青くさせた。

『ち、違うの兄様!私は、』

『何も違わないだろう?希空もまだ幼いのに……』

『あ、あの子は関係ないでしょう⁉︎』

『関係あるよ。これ以上こんなことするなら縁を切るからな』

するとあの女は目に涙を溜めて謝り出した。

必死に“あの人”に縋り付く。