地の果てに咲く花

「早く入ろ!」

ぐいっと手を引っ張られてカフェに引き摺り込まれる(?)。

「2名でーす」

さすがお気に入りなだけあるのか、慣れてる風に入っていく。

角の席に座ると、希空がぐいっと身を乗り出してどこか真剣身を帯びた顔をする。

「え、どうし、」

「桜駒……。何かあったでしょ」

「っ、」

希空はちゃんと知ってる。

私が、楠見の娘でないことを。

希空と、血のつながらない従姉妹だと言うことを。

私に、最愛のお兄ちゃんがいること全てを。

「実は、紫悠に会って……」

「え、幼馴染に⁉︎」

「ちょっ、声が大きい!」

希空があまりにも大きな声を出すものだから慌ててくいっと彼女の袖を引く。