地の果てに咲く花

私は恵まれている。

父親の愛も。母親の愛も。兄たちの愛も。

だけど、彼らから愛情を貰うたび、私の心は虚しくなる。

こんなにも、恵まれてるのに。

それなのに、私は。

お兄ちゃんだけが、家族なのにと思ってしまう。

「……これって、私のわがままなのかな……」

彼らの愛情を、“愛”として受け入れられないこと。

「ねえ……お兄ちゃん……」

最愛の兄なら。


お兄ちゃんなら何て言うだろう。

「……聖杜、お兄ちゃんっ……」




少女が愛した少年は。少年が愛した少女は。

今も、お互いの中で眠っている。