地の果てに咲く花

離れたくないって。

だけど、俺は見てることしかできなかった。

何よりも大事で、大切な幼馴染だったのに。

俺は二人を見捨てた。

『紫悠……お兄ちゃんを宜しくね』

小学生の時、桜駒に言われた言葉。

『おい桜駒お前っ──……聖杜のこと大切なんだろ⁉︎何で──!』

俺は、聖杜のことを思って言ってるかのようだったけど。

見捨ててしまったから。大事なのに見捨ててしまったから、その罪悪感から正当なことを言っていた。

俺はずる賢い生き物なのに、それでもお前たち双子が大事で大事で仕方ないから。

『……大切だから、紫悠に任せるんだよ』

大事な幼馴染のお前が、そう言うから。

俺は聖杜を守っていれば許される気がして。

だけど聖杜は笑ってくれなくなって。

俺は二人を、あの親から守ってあげればよかったって後悔した。

なのに、それでも二人のそばにいたいなんてさ。