地の果てに咲く花

いや……実際間に合ってるし。

「んで?遅れた理由は?」

「いや遅れてねーし」

こいつ相変わらず話通じねえな……。

「可愛い弟の世話して遅れたん?」

秋真は……。

「紫悠、俺の兄弟は──」

「はいはい。桜駒だけ、だろ」

っ──。

そうだよ。

俺の兄弟は、桜駒だけなんだよ。

同じ瞬間にこの世に生まれて。

似てないけどどこか同じ双子で。

あの子だけは守ろうと約束したのに。

俺は、最愛の妹を守れなかった。

今も、逃げ続けて。