地の果てに咲く花

「希空ねーちゃん髪伸びたね」

秋真が希空に駆け寄り、首を傾げて見上げた。

「でしょー」

希空は胸元まである髪を相変わらずのウルフにしている。

揃ったところでベンチに座り、桜駒が乗ってくる予定の便を待つことにした。

「……ねえ、聖杜」

「ん?」

「長かった?」

希空は秋真の頭を撫でながら、じっと俺を見る。

「桜駒がいなかった4年間は、聖杜にとって長かった?」

中1のとき、桜駒が病気になってアメリカに行ってしまった。

そのあと、楠見家の息子になった。

今までやってこなかったことをたくさんして。

充実してた毎日だった。

だけど──。

「……うん」

本当に、長かったんだよ。