本当は俺よりもずっと大人びて。
愛そうと思って、ちゃんと愛せなかった可愛い妹。
「大好きだよ」
そんな妹に、次会ったらちゃんと言おうって。
「....わかった......。行ってき、ます....」
泣きながう妹の類を、紫悠がくいっと軽く引っ張った。
「っ、おいー」
「笑えって桜駒」
その言葉に目を見張った。
「笑顔で、アメリカに行こう」
桜駒は瞳から涙を流しーそして笑った。
「....行ってきます!」
"また帰ってくるよ”と言うように。
桜駒はとびきりの笑顔で笑った。
妹の“本当の笑顔”を見たのは、数年ぶりだった。

