だけど、桜駒は、生きることが今一番大事なことで。
「....桜駒。行ってこい」
妹の頭を軽く撫でて、抱きしめていた手を離す。
「お兄ちゃん私のことー」
「愛してるから、離れるんだよ」
桜駒は涙でぐしゃぐしゃになった顔で俺を見上げた。
「何で.....?愛してるなら、何で一緒にいてくれないの?」
泣きながら問う妹をもう一度抱きしめる。
「愛してるから、桜駒に生きていてほしいんだ」
可愛くて最愛の双子の妹だからこそ。
生きてほしい。
アメリカに行って生きれる確率が少しでも高くなるなら、俺はそれに賭けたい。
「........私のこと、ちゃんと好き....?」
同じ時に生まれた双子の妹。
自分より、幼くて純粋で穢れを知らなくて。
同じように愛されてなくて。

