地の果てに咲く花

「あの子さ、前に桜駒と一緒にいた子じゃない?」

「そーだっけ……」

だから見たことあると思ったのか。

納得して、校門前に行く。

その子の前に行くと、じっとこっちを見上げた。

「……私、楠見 希空。貴方……落合 聖杜、だよね」

まさかのフルネーム呼び。

何で俺の名前と学校知ってんのか。

“楠見”……もしかして、桜駒の親戚……?

少し怪訝に思っていると、彼女は気づいたかのようにハッとした。

「私は桜駒の従姉。桜駒に頼まれて貴方に会いに来たの」

「桜駒っ……⁉︎」

桜駒に頼まれたって、何かあったのか……?

桜駒が俺に言うなんて、何かあったとしか思えない。

「これを……桜駒が渡してほしいって」

そう言って、白い封筒を渡される。