地の果てに咲く花

ああ。

貴方は本当に、桜駒のこと大切に思ってるんだね。

“桜駒”っていう、たった一つの単語でここまで表情を変えるんだもの。

「これを……桜駒が渡してほしいって」

私は、白い封筒を彼に渡した。

「早くしないと、間に合わないよ」

その言葉に何か思ったのか、落合は封筒を開け、中の手紙を見る。

そして一通り目を通したあと、走ろうと思ったのか、荷物を持った。

私は慌てて止める。

「待って!走るなんて無謀すぎる!迎えも呼んだから、それに乗って!」

私は、落合と桜駒の(多分)幼馴染を連れ、車に乗った。

「魁眞さん。ありがとう」

「いいよ」

優しく笑ってくれたのは、六つ上の従兄。

ん?魁眞さんは桜駒の異父兄で、えっとつまり……?

落合の兄でもあるってこと?