地の果てに咲く花

病院のベットに横たわる桜駒は、弱々しくて、儚くて。

消えてしまうんじゃないかって、そう思った。

それが怖くて、桜駒の左手をぎゅっと握る。

「ねえ、希空」

ベットの横にある椅子に座った私を見て、桜駒は言った。

「私……アメリカで治療受けることになったの」

え──?

アメリカでなんて、そんな。

確かにアメリカの方が医療が発展している。

だけど。いつ会えるかわからない。

「桜駒……?何の、病気なの……?」

きっと、アメリカに行かなきゃいけないほど、重い病気なんだよね……?

「……拡張型心筋症っていう、ドナーが見つからなければ、5年以内に死亡する確率がほぼ100%の病気なの」

──ねえ、神様。

何で桜駒から全部奪っていくの。

親の愛も、兄も、全て奪っていって。