地の果てに咲く花

パパが言う“お兄ちゃん”は。

兄さんでも雷稀兄でもない。

「……会いたい」

聖杜お兄ちゃんに。

「皆に、会いたいよ」

紫悠に、希空に、みよに。

「……桜駒。だったらアメリカに行こう」

アメリカに行ったら、離れ離れになってしまう。

私が恐れてるのはそのことだった。

治るかわからない。もしかしたらアメリカで死んでしまうかもしれない。

でも──。

日本で死んで、皆に泣かれるより。

アメリカで人知れず死んだ方が、いいかも知れない──。

「……わかった、パパ。私……アメリカで治療受ける」

それを誰かが望むなら、私はそうするよ。

私は、罰を受ける人間なんだから。

いくらでも、受けてやる。