-----リリリリ……
「…うーん……」
布団にくるまりながら、私は手を伸ばして音の元凶を探す。
うるさい~もっと寝かせて…
そんなことを考えていると、音がピタっと鳴り止んだ。
「知花(ちか)ちゃん」
私の名前を呼ぶ低めの、優しい声がする。
「うーん…まだ眠いぃ…」
「知花ちゃん、そろそろ起きないと朝食食べれなくなるよ」
「朝…食…」
布団から顔を出すと、ダイニングから美味しそうな匂いが漂ってくる。
「オム…レツ?」
「そうだよ」
私は眠い目をこすり、声がする方を見る。
「おはよう」
「おはよう」
その人は、私の頭を撫でて優しく微笑んだ。



