3月1日。
今にも雪が降りそうな空。空気がとても澄んで縫い針のように肌に刺さった。
私は白い息を絶え間なく吐きだしながら、ゆっくりと学校へ向かう。一歩一歩を噛みしめて。
3年間通った学校は、
「おはよう」
「おはよう」
少しの寂しさと、異様な活気に満ちていた。
同級生に色紙をたくさん頼まれ、色とりどりのペンから青いサインペンを選んだ。
ぎっしりと詰まった沢山のメッセージ。
私は、
何を書いて良いのか迷った。
この3年間、この学校で過ごした時間は、私に取って小鳥のうぶな羽根ひとつの重みもなく、
そして、
ホームルームが始まっても、教室の引き戸は今日は揺れなかった。
体育館はとても寒かった。外よりも寒いのではないかと思うくらいに肌がひりついた。
私は卒業生代表で卒業証書を壇上で受け取り、壇上からぐるりとひとびとの頭を眺め下ろしてみたら、
やっぱり、ぽつりと席がひとつ空いているのだった。
今にも雪が降りそうな空。空気がとても澄んで縫い針のように肌に刺さった。
私は白い息を絶え間なく吐きだしながら、ゆっくりと学校へ向かう。一歩一歩を噛みしめて。
3年間通った学校は、
「おはよう」
「おはよう」
少しの寂しさと、異様な活気に満ちていた。
同級生に色紙をたくさん頼まれ、色とりどりのペンから青いサインペンを選んだ。
ぎっしりと詰まった沢山のメッセージ。
私は、
何を書いて良いのか迷った。
この3年間、この学校で過ごした時間は、私に取って小鳥のうぶな羽根ひとつの重みもなく、
そして、
ホームルームが始まっても、教室の引き戸は今日は揺れなかった。
体育館はとても寒かった。外よりも寒いのではないかと思うくらいに肌がひりついた。
私は卒業生代表で卒業証書を壇上で受け取り、壇上からぐるりとひとびとの頭を眺め下ろしてみたら、
やっぱり、ぽつりと席がひとつ空いているのだった。



