帰り道、行きとはまた違う気持ちで私は桜大と河原を見ながら歩いていく。
──春は別れと出会いの季節。
これからの残りの人生も色々な出会いと別れを繰り返すのだろう。そんな人生のなかで私は今のささやかな幸せだけは守り続けたい。
それが葉琉と別れたあの日が正しかったという証にもなるから。
だから貴方もずっと幸せでいてね。
別れの先に、未来の笑顔と幸せが待っているのなら、その別れには大きな意味がある。
(大丈夫、ちゃんと笑えてるよ)
私は春風に舞う桜の花びらを見ながら、あの日の自分にそっと想いを馳せた。
2025.3.29 遊野煌
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