にんまりとした笑みを浮かべる私を見て、佐々木くんが「げ」と一歩引く。また私にからかわれると思ったのか、きびすを返して病院がある方向へ歩いた。その後ろ姿は、心なしか嬉しそうだ。
「佐々木くん良かったね……あ」
私はスマホを出して、不在着信の電話番号へ折り返す。すると私から少し離れた佐々木くんがピタリと止まり、スマホを耳にあてた。
『なに?』
「これは私の希望だから、嫌だったら断ってくれて構わないんだけど」
『うん?』
耳にあてたスマホごと、佐々木くんは首をかしげる。私も同じ動きをして、二人して斜めになった世界に立つ。
「今度お弁当を食べる時、一緒に食べない?その、できれば二人きりで」
『!』
佐々木くんはココからでもよく分かるくらい驚いた顔をした後、カッと赤く染めた。そして少し背中を丸めて、足元に転がっている石を私に向かって蹴り飛ばす。
『ほんと、そういう所だからね』
「え?」
『水野は自分の気持ちをストレートにぶつけてくるよね』
「それは……やっぱり私がサバサバしているってこと?」
すると遠くにいる佐々木くんが横へ首を振る。「違う」と、ハッキリと否定した声が電話越しからも、前に立つ佐々木くんからも大きく聞こえた。
「佐々木くん良かったね……あ」
私はスマホを出して、不在着信の電話番号へ折り返す。すると私から少し離れた佐々木くんがピタリと止まり、スマホを耳にあてた。
『なに?』
「これは私の希望だから、嫌だったら断ってくれて構わないんだけど」
『うん?』
耳にあてたスマホごと、佐々木くんは首をかしげる。私も同じ動きをして、二人して斜めになった世界に立つ。
「今度お弁当を食べる時、一緒に食べない?その、できれば二人きりで」
『!』
佐々木くんはココからでもよく分かるくらい驚いた顔をした後、カッと赤く染めた。そして少し背中を丸めて、足元に転がっている石を私に向かって蹴り飛ばす。
『ほんと、そういう所だからね』
「え?」
『水野は自分の気持ちをストレートにぶつけてくるよね』
「それは……やっぱり私がサバサバしているってこと?」
すると遠くにいる佐々木くんが横へ首を振る。「違う」と、ハッキリと否定した声が電話越しからも、前に立つ佐々木くんからも大きく聞こえた。



