体育の時間、ずっと佐々木くんと一緒にいた私なら、彼が何もしていないと証明できる。
私がトイレに言っている間に佐々木くんは教室で一人になったかもしれないけど、だからと言って人の時計を盗む人じゃない。時計よりももっと大事な物があると、既に彼は知っているからだ。
見えない絆こそを大切にしている彼だからこそ、有機物には興味がない。
「あの……」
ゆっくりと手を挙げる。瞬間、皆の視線が一気に私へ向いた。
いくつもの目が私を見て、私が何を言うか待っている。緊張する、なんてもんじゃない。本当のことを言うだけなのに口周りのあらゆる箇所が震えてしまい、ごくっと喉が鳴る。
「なんだよ、水野」
「えっと、体育の時に私は佐々木くんと一緒にいたから知っているよ。佐々木くんは何もしていない。この部屋で皆が来るのを、ただ待っていただけ」
「本当か?」
「ウソなんてつかないよ」
つく理由もないし、と言った私の声にかぶせて「それはどうかな」と近藤さんが発言する。
「私、昨日みたの。水野さんが佐々木くんのおばあちゃんからお弁当を受け取っている所を」
「どういうことだよ、近藤」
ザワッと教室の空気が変わる。私は、まさかここで近藤さんが出て来るとは思わなかったから、体中が石化したように固まった。
「二人は特別に仲が良いよ。水野さん、佐々木くんのこと好きなんじゃない?それなら佐々木くんをかばうのは当然だよ」
「そんな……」
昨日、仲良くなれるかもと思った人から、こんなことを言われるなんて。悲しい。ツライ。
目に涙が溜まった時、昨日佐々木くんが言った言葉が蘇る。
私がトイレに言っている間に佐々木くんは教室で一人になったかもしれないけど、だからと言って人の時計を盗む人じゃない。時計よりももっと大事な物があると、既に彼は知っているからだ。
見えない絆こそを大切にしている彼だからこそ、有機物には興味がない。
「あの……」
ゆっくりと手を挙げる。瞬間、皆の視線が一気に私へ向いた。
いくつもの目が私を見て、私が何を言うか待っている。緊張する、なんてもんじゃない。本当のことを言うだけなのに口周りのあらゆる箇所が震えてしまい、ごくっと喉が鳴る。
「なんだよ、水野」
「えっと、体育の時に私は佐々木くんと一緒にいたから知っているよ。佐々木くんは何もしていない。この部屋で皆が来るのを、ただ待っていただけ」
「本当か?」
「ウソなんてつかないよ」
つく理由もないし、と言った私の声にかぶせて「それはどうかな」と近藤さんが発言する。
「私、昨日みたの。水野さんが佐々木くんのおばあちゃんからお弁当を受け取っている所を」
「どういうことだよ、近藤」
ザワッと教室の空気が変わる。私は、まさかここで近藤さんが出て来るとは思わなかったから、体中が石化したように固まった。
「二人は特別に仲が良いよ。水野さん、佐々木くんのこと好きなんじゃない?それなら佐々木くんをかばうのは当然だよ」
「そんな……」
昨日、仲良くなれるかもと思った人から、こんなことを言われるなんて。悲しい。ツライ。
目に涙が溜まった時、昨日佐々木くんが言った言葉が蘇る。



